「地鎮祭って、絶対にやらないといけないの?」「上棟式って何をするの?」
家づくりを進めていくと、必ずこの2つの言葉に出会います。営業さんから「地鎮祭はいつにしますか?」とさらっと聞かれて、内心「え、やる前提なんだ」と戸惑った方もいるのではないでしょうか。
私は住宅の現場で施工管理をしています。地鎮祭にも上棟式にも、数え切れないくらい立ち会ってきました。今回は、それぞれ何をするものなのか、そして実際どれくらいの人がやっているのかを、正直にお話しします。
地鎮祭とは
地鎮祭は、工事を始める前に、その土地の神様に工事の安全と、これから住む家族の繁栄を祈願する儀式です。神主さんを呼び、土地の四隅にお酒や塩をまいたり、鍬入れの儀式をしたりします。
上棟式とは
上棟式は、柱や梁が組み上がり、屋根の一番高い部分(棟木)を上げるタイミングで行う儀式です。工事に関わる職人さんへの労いと感謝を伝える意味合いが強く、地鎮祭よりも「お祝い」の色が濃いイベントです。
実際、どれくらいの人がやっているのか
ここが、皆さんが一番知りたいところだと思います。
地鎮祭を行う人はおよそ6割、上棟式を行う人はおよそ4割まで減ってきています。「絶対にやるもの」というより、やるかやらないかを選べる時代になっていると考えていいと思います。
上棟式を行う場合でも、神主さんを呼ばずに棟梁を中心にした簡略な形で行うケースが7割程度を占めています。かつてのような、盛大な直会(なおらい)を開くスタイルは、今はむしろ少数派です。
費用の目安
地鎮祭:5万円〜10万円程度
- 初穂料・玉串料:2万円〜5万円(神主さんへのお礼)
- お車代:5,000円〜1万円
- お供え物:1万円程度
上棟式(行う場合):1万円〜15万円程度
- 棟梁へのご祝儀:1万円〜3万円
- 他の職人さんへ:1人あたり3,000円〜1万円
- 直会・お弁当代:5,000円〜1万円
※金額はあくまで目安で、最近は飲み物等の差し入れのみの場合もあります。また、地域や依頼先によって変わるので、実際に検討する際はハウスメーカーや工務店に確認してください。
現場側から見た本音
正直に言うと、地鎮祭も上棟式も、やらなかったからといって工事の質が落ちることは一切ありません。安全祈願は、現場としては日々の安全管理そのものでしっかり行っています。
それでも私が個人的に思うのは、上棟式は、やる価値がある機会だということです。柱と梁が組み上がった状態の家を見られるのは、この時期だけです。しかも、これから何ヶ月も自分の家に関わってくれる職人さんたちと顔を合わせて、直接「よろしくお願いします」と言える、数少ないタイミングでもあります。
簡略化された形でも構いません。棟梁に一言ご祝儀を渡して労うだけでも、現場の空気は変わります。逆に、地鎮祭は宗教的な意味合いが強いので、ご家庭の考え方次第で判断されるのが一番だと思います。
まとめ
- 地鎮祭 — 実施率約6割。土地の神様への安全祈願。費用目安5〜10万円
- 上棟式 — 実施率約4割。職人さんへの感謝の場。費用目安10〜30万円。簡略化が主流
- どちらもやらなくても工事の質には影響しません
- やるなら上棟式のほうが、家づくりの思い出としての価値は大きい
「絶対にやらなきゃ」と気負う必要はありません。ご家庭の考え方と予算に合わせて、無理のない形を選んでください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


コメント