家が完成すると、引き渡しの前に「**施主検査**」という時間が設けられます。営業さんや現場監督と一緒に、完成した家を歩いて回るあれです。
ただ、正直に言うと、ほとんどの施主さんは何を見ればいいか分からないまま、なんとなく歩いて終わってしまいます。現場側も「ここまでできています」と説明するのに必死で、細かい見方までは教えてくれないことが多いです。
私は住宅の現場で施工管理をしています。今回は、現場監督が自分の現場を最終チェックするときに、実際にどこを見ているかをお話しします。この記事を読んでから施主検査に臨めば、見る場所がまったく変わるはずです。
そもそも施主検査とは何か
施主検査とは、引き渡し前に、施主さん自身が仕上がりを確認する最後のチェックの機会です。
ここで気になる箇所を指摘しておけば、引き渡し前に直してもらえます。逆に言えば、ここで見逃すと、住み始めてから自分で気づいて直してもらうしかなくなります。手間も気まずさも段違いなので、この日にどれだけ見られるかが本当に重要です。
1. 建具(ドア・窓)の開け閉め
すべてのドアと窓を、実際に自分の手で開け閉めしてください。
見るポイントは3つです。
- スムーズに動くか(引っかかったり、重すぎたりしないか)
- 閉めたときに隙間ができていないか
- 鍵がスムーズにかかるか
建具の不具合は、実は完成直後が一番見つけやすいタイミングです。木材は季節や湿度で微妙に動くので、後から「あれ、前は平気だったのに」となることもありますが、最初から動きが悪いものは、施工の時点で調整が必要なサインです。
2. 壁・天井は「光を斜めから当てて」見る
クロス(壁紙)のチェックは、実は見る角度でまったく違う結果になります。
正面から見ただけでは、継ぎ目のズレや浮き、細かい傷はほとんど分かりません。スマホのライトを壁に対して斜めから当てて見てください。影ができて、凹凸や継ぎ目が浮き上がって見えるようになります。
これは現場監督が最終確認のときに必ずやっている見方です。特に窓際や照明の近くは、自然光や照明の光が斜めに入るため、日常生活の中でも意外と目立つ場所になります。
3. 設備は「その場で全部」動かす
コンセント、スイッチ、水栓、換気扇、エアコン、インターホン。図面に書いてある設備は、その場で一つ残らず動かしてください。
「あとで動かせばいいや」と思って後回しにすると、引き渡し後に不具合が見つかった時、それが施工不良なのか、住み始めてからの使い方の問題なのか、判断がつきにくくなります。検査の日にすべて動作確認しておけば、この曖昧さがなくなります。
コンセントは、位置が図面通りかも合わせて確認しておくと安心です。
4. 外まわりも忘れずに
施主検査というと室内に意識が向きがちですが、外まわりも同じくらい大事です。
- 外壁の仕上がり(汚れ・傷・色ムラ)
- シーリング(コーキング)の打ち忘れがないか
- 雨樋がきちんと勾配通りに付いているか
- 給排水まわりに水漏れの跡がないか
特にシーリングの打ち忘れは、雨漏りの原因に直結します。窓まわりや外壁の継ぎ目は、ぐるっと一周してよく見ておいてください。
5. 書類も、この日に確認する
見た目の確認と同じくらい大事なのが、書類関係です。
- 各設備の保証書・取扱説明書が揃っているか
- 鍵の本数(スペアキーを含めて)
- 設備の型番リスト(将来、修理や交換をするときに必要になります)
これらは引き渡し後に「あれ、説明書どこだっけ」となりがちなものばかりです。この日にまとめて確認しておくと、後々かなり楽になります。
一番大事なこと:指摘は必ず書面に残す
ここが、この記事で一番伝えたいことです。
施主検査で気になる箇所を見つけたら、口約束で終わらせず、必ず「是正確認書」のような書面に残してもらってください。
「ここ、直しておきますね」という口頭のやり取りだけだと、担当者が変わったり、忙しさの中で忘れられたりすることが実際にあります。書面に残しておけば、指摘した内容と対応状況が、誰が見ても分かる状態になります。
現場側からしても、書面で管理されているほうが対応漏れを防げるので、むしろありがたいはずです。遠慮せずお願いしてください。
まとめ
今回は、施主検査で見ておきたいポイントをまとめました。
- 建具 — 実際に開け閉めして、隙間と鍵の動きを確認
- 壁・天井 — スマホのライトを斜めから当てて見る
- 設備 — その場で全部動作確認
- 外まわり — シーリング・雨樋・水漏れも忘れずに
- 書類 — 保証書・鍵・型番リストをこの日に確認
- 指摘は書面に残す — 口約束にしない
施主検査は、長くても数時間の限られた時間です。でも、ここでどれだけ見られるかで、住み始めてからの安心感がまったく変わります。
担当者に急かされているように感じても、気になる場所は遠慮なく指摘してください。あなたが住む家です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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