「現場監督になったけど、結局どの道具を買えばいいの?」
私も新人の頃、まさにこれで迷いました。とりあえず有名メーカーの物を買ってみたものの、半年後には使わなくなった道具がいくつもあります。
道具は、同じ種類でもほんの少しの違いで使い勝手がまるで変わります。そしてその「違い」は、カタログを見ても書いてありません。実際に毎日現場で使って、初めて分かることばかりです。
私は住宅の現場で施工管理をしています。この記事では、私が毎日ヘルメットと一緒に持ち歩いている6つの道具と、「同じ道具でもここを見て選ぶ」というプロ目線の選び方を紹介します。
これから道具を揃える新人の方はもちろん、「今の道具、なんか使いにくいな」と感じている方にも役立つはずです。
1. 野帳(やちょう)
野帳(やちょう)は、いわゆる現場用のメモ帳です。
レベル測量や光波測量の数字を書き写したり、現場で聞いたことをサッと殴り書きしたりするのに使います。最近はスマホやタブレットにメモすることも増えましたが、片手で開いてすぐ書ける速さは、まだまだ紙にはかないません。
選び方のコツ: 中身は「方眼なし」が使いやすい
野帳には方眼(マス目)が入ったタイプと、入っていないタイプがあります。私は方眼が入っていないタイプを使っています。マス目があると、かえって自由に書きにくいんです。
ただ、これは完全に好みが分かれるところです。測量の数字を整理して書きたい人は方眼タイプが合うと思います。
耐水タイプは「書きにくい」という落とし穴
雨の日に備えて耐水タイプを使う人もいますが、私は使っていません。理由はシンプルで、ペンの滑りが悪くて書きにくいからです。
雨対策をしたいなら、普通の野帳に外付けのカバーを付けるほうが現実的だと思います。実際、現場でもこのスタイルの人をよく見かけます。
ただ昨今の建設業はデジタル化が進んでいますから、iPadや専用タブレット端末にメモをする事が多いですよね。でも、結局は手書きも必要になる事が多いの事実ですよね。あるある?笑
2. コンベックス(メジャー)
コンベックスは、いわゆるメジャーのことです。現場では一番手に取る道具かもしれません。
「メジャーなんてどれも同じでしょ」と思われがちですが、実は長さ・幅・目盛りの表記がバラバラで、選び方を間違えると毎日ストレスがたまります。
19mm幅を買ってはいけない理由
これが一番伝えたいことです。
コンベックスのテープには幅があり、19mm・22mm・25mmなどがあります。19mmは避けたほうがいいです。
理由は、ある程度伸ばすとテープが折れてしまうから。一人で高い所や離れた場所を測ろうとした時に、途中でヘナっと折れて測れません。地味ですが、毎日のことなので確実にイライラします。
私が使っているのは長さ5.5m・幅22mmか25mmのタイプです。幅があるぶん少し重くなりますが、伸ばしても折れずに自立してくれるので、結果的に作業が速くなります。
目盛りは「尺なし」がおすすめ
コンベックスには、尺(しゃく)の目盛りが入っているタイプがあります。木造住宅では尺を使う場面もありますが、目盛りがゴチャついて読み間違えることがあるので、私は尺が書いていないシンプルなタイプを選んでいます。
3. 赤ペンと黒ペン
必需品というより、ないと仕事になりません。図面への書き込み、材料への印付け、指示出しと、一日中使います。
芯は2mm・カチカチ式が使いやすい
現場用のペンには、シャーペンのようにカチカチ押して芯を出すタイプと、ホルダータイプ(押すと芯がスッと出てくるもの)があります。
私のおすすめは芯幅2mmのカチカチタイプです。木材にもコンクリートにもしっかり書けて、芯が折れにくい太さです。
ホルダータイプの「あるある」
ホルダータイプは、油断すると中の芯が全部ズルッと出てしまいます。ポケットの中で押されて、気づいたら芯が飛び出ている……というのは、経験のある方も多いのではないでしょうか(笑)
書き味は好みが分かれるので、両方試してみるのが一番です。
4. 胸ポケットに入るさし(定規)
材料検収の時や、墨出しの時にサッと当てられる小さなさしです。「持ち歩ける」ことがすべての道具なので、選び方はシンプルです。
15cm以下を選ぶこと
胸ポケットに入れるなら、15cm以下がおすすめです。それより長いと、しゃがんだ時に落としたり、ポケットから飛び出て引っかかったりします。
まっすぐな直尺タイプと、L字の差し金タイプがあります。用途で選べばいいですが、常に胸ポケットに入れておくなら、まずは小さい直尺タイプが扱いやすいと思います。
5. 三角スケール
図面の縮尺を読むための道具です。ここでは、はっきり言い切ります。
現場で使うなら、断然アルミ製
一般的には樹脂製のほうがよく売られていますが、現場で使うなら絶対にアルミ製をおすすめします。
樹脂製は軽くて安いのですが、現場でよく落とすうえ、踏まれたり資材の下敷きになったりします。樹脂は角が欠けたり、たわんだりしますが、アルミ製ならまず壊れません。
事務所で図面を引くだけなら樹脂製で十分です。でも、ポケットに入れて現場を歩き回るなら、多少高くてもアルミ製にしたほうが結果的に長持ちします。
6. 墨つぼ
墨出し作業の必需品です。今は自動巻き取り型が主流なので、これから買うなら自動巻き取り型で問題ありません。
意外と知られていない「カルコ」の話
ここは、知らない人が多いので特に紹介したいところです。
墨つぼの先端には「カルコ」という部品が付いています。糸の先を固定するためのもので、一般的なカルコは針が出ていて、木材に刺して使います。
実はこのカルコ、別の種類に交換できます。
- 磁石タイプ — 鉄骨や金物に、カチッと吸い付いて固定できる
- コンクリート用 — 針が刺さらないコンクリート面でも使える
現場の材質に合わせてカルコを替えるだけで、一人で墨が出せる場面がぐっと増えます。「刺さらないからもう一人呼ぼう」となっていた作業が、一人で終わるようになります。
墨つぼ本体を買い替える必要はありません。カルコだけ替えれば済む話なので、知っておいて損はないです。
さいごに
今回は、私が常に持ち歩いている6つの道具を紹介しました。
- 野帳 — 方眼なしが書きやすい。耐水より外付けカバー
- コンベックス — 5.5m・22mm以上。19mmは折れるので避ける
- 赤ペン・黒ペン — 2mm芯のカチカチタイプ
- さし — 胸ポケットに入る15cm以下
- 三角スケール — 現場なら断然アルミ製
- 墨つぼ — 自動巻き取り型。カルコは交換できる
道具は一度買うと何年も使うものです。だからこそ、最初に「自分の現場に合ったもの」を選べるかどうかで、毎日の効率がまるで変わってきます。
「これも便利だよ!」という道具があれば、ぜひ教えてください。私もまだまだ知りたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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