家には必ず「窓」があります。当たり前の存在ですが、設置する位置や大きさ、種類によって、暮らしやすさは大きく変わります。そして厄介なことに、建てた後に窓の位置や大きさを変えるのは非常に困難です。
私は住宅の現場で施工管理をしています。今回は、窓の「種類」と「配置」、両方を一度に整理します。
窓(サッシ)の種類
ここでの「種類」は、開き方ではなくサッシの性能的な違いのことです。注文住宅で使われるサッシは、大きく4つに分かれます。安い順に並べると次の通りです。
- アルミサッシ
- アルミ樹脂複合サッシ
- オール樹脂サッシ
- 木製サッシ
熱伝導率で見る、断熱性能の違い
熱伝導率とは、熱の通しやすさを表す数値です。数値が低いほど熱を通しにくく、断熱性能が高いということになります。
- アルミ:175 W/㎡・K
- 樹脂:0.18 W/㎡・K
- 木材:0.09〜0.19 W/㎡・K
アルミが圧倒的に熱を通しやすく、断熱性能が一番低いことが分かります。断熱性能と価格は、ほぼ比例すると考えてください。
それぞれの特徴
アルミサッシは軽量で強度があり開閉が容易ですが、熱伝導率が高く断熱性能は低めです。
アルミ樹脂複合サッシは、部屋側を樹脂、外部側をアルミにした複合型です。アルミの弱点である断熱性能を、室内側だけ樹脂にすることで補っています。我が家もこのタイプを採用しています。
オール樹脂サッシは樹脂のみで作られ、アルミより耐久性は劣るものの断熱性能は格段に上がります。以前は、寒冷地では主流で、一般地ではコストの関係もあり、採用されていなかったのですが、最近は高断熱な家になりつつあるのもあり、主流になりつつあるタイプです。
木製サッシは断熱性能に優れ、あたたかみのあるデザイン性も魅力です。経年による腐食や狂いといったデメリットがありますが、近年のメーカーはこの弱点を抑える工夫を進めています。
どれが正解かは、寒冷地かどうか、予算、デザイン性の優先度によって変わります。設計士に自分たちの状況を伝えて相談するのが一番です。
窓の「配置」も同じくらい重要です
窓は種類だけでなく、置く場所の検討も非常に重要です。ここを疎かにすると、住み始めてから後悔しやすい部材の代表格になります。
家具の配置とセットで考える
窓を設置した部屋に、いざ家具を置こうとすると、テレビボードが入らなかったり、ソファーが窓と被ってしまったりすることがあります。「〇〇をどこに置くから、窓はここ」という順番で考えることが大事です。
例えば窓の前にテレビを置く配置だと、直射日光がテレビに向かって差し込み、カーテンを閉めても内部の温度が上がって機械的に良くありません。ソファーやテーブルも日焼けの可能性があります。
室内側だけでなく、外部側の状況も見る
窓を開けた先に給湯器や倉庫があれば、そもそも開けにくい窓になります。隣家との距離が近い掃き出し窓は使いにくいですし、道路に面していて通行人から中が見えるのも避けたいところです。部屋側だけでなく、外部側の状況もセットで検討してください。
採光と風通し
窓の前に物を置くということは、その分外からの光を遮るということでもあります。部屋が狭くどうしても物を置く必要がある場合は、窓の位置を高くする、大きさを広げるといった対応を検討しましょう。
風通しについては、家全体に風の通り道を作る配置計画が必要です。ここは専門的な判断になるので、設計士とは必ず風通し計画について打ち合わせしてください。最初から完璧に配置してくれているとは限りません。
窓の配置検討でもう一つ知っておいてほしいのが、「確認申請」という手続きです。設計図が建築確認関係の規定に適合しているかを確認する手続きで、これが通った後は、窓の大きさ変更や移動が難しくなります。
窓の構造、採光、換気、排煙などを検討し直して、確認機関に出し直す必要が出てくるためです。変更には設計の労力、再申請費用など追加金額も発生する事になります。気になることがあれば、確認申請の前に設計士と打ち合わせしておくことをおすすめします。
まとめ
- サッシの種類 — アルミ<複合<オール樹脂<木製の順で断熱性能が上がる
- 家具配置とセットで考える — 「置きたいもの」を先に決めてから窓の位置を決める
- 外部側の状況も見る — 給湯器・隣家・道路との位置関係
- 確認申請前に相談を — 通った後の変更は難しい
窓は一度付けると、リフォームでもなかなか位置を変えない部材です。気になる点があれば、早めに設計士に相談してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



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