ハウスメーカーで注文住宅を建てるとき、必ず出てくるのが「標準仕様」と「オプション」の話です。標準仕様よりグレードを上げたり、何かを追加したりすると、その分金額も上がっていきます。もちろん、何もかもグレードアップさせるのは現実的ではありません。
私は住宅の現場で施工管理をしています。今回は、我が家で実際に採用して「やって良かった」と感じているオプションをまとめて紹介します。
1. ニッチ(壁の一部をくりぬいた収納スペース)
ニッチとは、壁の一部をくりぬいて物を置けるようにするスペースのことです。目立ちませんが、設置場所によっては非常に便利です。壁の下地や厚みの都合で奥行・幅はある程度決まりますが、それでも実用性は高いです。
おすすめの設置場所は次の通りです。
- 玄関 — アルコール除菌や家族写真を置ける
- リビング・キッチン — インターホンなどの操作盤を収納できる
- トイレの中 — スマホの一時置きや、大きさによってはトイレットペーパー収納にも
間取りによって最適な場所は変わるので、設計士に「ニッチを作るならどこがおすすめか」と聞いてみるといいです。ただし、必要のない場所に増やしすぎると掃除の手間が増えるので、そこだけ注意してください。
2. 引き戸のソフトクローズ
ソフトクローズとは、引き戸が閉まる際に、最後だけゆっくり閉まるように調整してくれる金物です。ソフトクローズがない引き戸は、閉める力がそのまま伝わって戸当たり部分に「バーン」と当たり、跳ね返ってきます。
この「バーン」がなくなるだけで、日々のストレスがかなり軽減されます。小さなお子さんがいる家庭では、思いっきりされまくると、ソフトクローズが故障してしまう点は注意(我が家のLDKソフトクローズは壊されちゃいました)
3. アクセントクロス
部屋の一面だけクロスの色や柄を変えて、雰囲気を変える手法です。全面白い部屋に1面だけタイル風のクロスを入れるだけでも、部屋の印象がガラッと変わります。センスが問われる部分なので、インテリアコーディネーターに相談するか、気に入った雰囲気の実例をあらかじめ探しておくのがおすすめです。
4. 人感センサー(センサーライト)
人を感知して自動でオン・オフしてくれる照明です。玄関、内部階段の照明に採用すると、荷物を持ちながらでもスイッチを探す手間がなくなります。時間帯を設定できる商品もあります。
5. コンセントの増設
ハウスメーカーの標準仕様で決まっているコンセントの数・回路数は、「快適に過ごせるように考え抜かれた数」ではありません。あくまで標準です。
コンセントの増設は、家を建てている段階では比較的しやすい工事ですが、完成後の増設は手間も費用も増えます。スイッチボックスとケーブルは壁の下地の中に仕込むため、クロスを貼った後だと石膏ボードを開口し直す必要があるからです。
我が家では、扇風機や充電器を持ち歩く場所、ロボット掃除機や空気清浄機の設置場所、ダイニングでのホットプレート使用など、実際の生活動線を想像しながらリビングダイニングの各所にコンセントを設置しました。「使うかどうか迷う」くらいなら、増設を検討する価値はあります。
6. コンセント回路数の増設
回路数を増やすと分電盤のブレーカー数も増えるため、費用は上がりますが、我が家は標準のほぼ倍まで増やしました。
一般家庭の1回路で使える電力は2,000Wが目安です。これを超えると自動的に電気が遮断されます。例えば、電子レンジ(1000〜1450W)とトースター(1000〜1400W)を同じ回路に差して同時に使うと、それだけでブレーカーが落ちる可能性があります。使用イメージをしながら回路を分けておくことが、快適な暮らしの鍵になります。
7. 玄関ドアのスマートキー
鍵を鍵穴に差さず、ボタン一つ(またはカードキーをかざすだけ)で解錠・施錠できる仕組みです。子供を抱っこしていても、荷物を持っていても、ボタン一つで開けられる快適さは、一度慣れると手放せなくなります。
8. 玄関のスリッパラック(壁埋め込み型)
床置き型ではなく、壁に埋め込むタイプのスリッパラックです。玄関前のスペースを圧迫せず、見た目もすっきりします。掃除機やフロアワイパーをかける際に邪魔にならないのも利点です。壁のボードを貼る前、下地の段階で取り付ける必要があるため、希望する場合は設計図の段階か工事中に早めに伝えておく必要があります。
9. シューズクローク
玄関横に設ける、靴を収納するための空間です。大きさによってはベビーカーやゴルフバッグなども収納できます。玄関に靴棚を置くスタイルに比べて、玄関まわりが格段にすっきりします。ドアを設けず「ウォークスルー型」にする形も人気です。
10. システムキッチンのシンクを人造石に
標準仕様ではステンレス製のシンクが多いですが、人造石に変更するとキッチン台との継ぎ目がなくなり、掃除がしやすく汚れも目立ちにくくなります。追加費用は数万円規模ですが、コストパフォーマンスの良いオプションです。
11. タッチレス水栓
手をかざすだけで水が出るキッチン水栓です。泡がついた手でレバーに触れる必要がなくなり、衛生面でも快適です。水栓本体に加えて電気工事費が追加でかかりますが、日々の使い勝手を考えると満足度の高いオプションです。
12. ビルトイン食洗機を深型に
標準仕様では浅型が多く、フライパンや鍋などの大きい洗い物が入りきらないことがあります。深型に変更しておくと、家族分の食器に加えて片手鍋・小さいフライパン程度は収納できます。可能であればショールームで実際のサイズ感を確認してから決めるのがおすすめです。
まとめ
今回紹介した12個は、いずれも「絶対に必要」というわけではありませんが、費用対効果が高く、後悔しにくいオプションだと感じています。
大事なのは、標準仕様を「快適に暮らせるよう考え抜かれたもの」だと思い込まないことです。自分たちの生活をイメージしながら、必要なところにだけお金をかけるという視点で、一つずつ検討してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。



コメント